「先人が命をかけて創り、伝えたものは、徹底的な合理性があり、不自然な身体運用をするはずがない。」「多くの現代武道において、身体そのものとその運用に対する理解が足りない。」というのが松井師範の持論であり、独特の身体論に基づく指導により、呼吸法の延長線で杖の技を体現しようとする。このため、当杖心会においては、会員において様々な身体改善が顕著に認められ、健康増進に大きく寄与している。
杖道が健康法として優れていることの主な要因は以下のようなものがある。
左右の手足を偏りなく使うため、バランスの良い身体を作ることができる。
杖を持つという一定の身体制約のなかでの自由度が広い(両手を広げたなかで杖を操作する)ため、逆にものを持つという制約を外したときには、さらに自由な身体運用が可能となる。ものを持たない徒手の体術では制約がないため、自分の好みの身体運用しかしなくなってしまう傾向がある。
大脳と直結する触角細胞が集中する「手」を複雑に使用することにより大脳を刺激し、中枢機能を高めることができる。中国医学の視点では内臓と直結するツボをさまざまな角度で刺激することとなる。
動作を極度に遅くし、呼吸と意念を工夫すれば優れた気功法になりうる。(身体運用幅が広いため)
杖道は、古武道に直結する武道である。そのため、制定形の範囲であっても伝統武道を学んでいるというイメージによる意識転換が生じ、精神衛生上効果がある。
一つ一つの動作に重要な筋肉とほとんどの経絡がバランスよく用いられている。